地方は移住を勧める前に衰退の原因を先に考えるべき

地方は衰退の一途ですが、それに耐えかねて、2000年代以降、UIターンに力を入れ、積極的に移住を受け入れようとする自治体が増えましたが、実際には増えていいるのは、ごく一部の自治体だけですよね…。

かくいう、旅の人は実は2度Uターンをしてます。

一度目のUターンの時は29歳の時。既に富山県でもUターン事業を開始していましたが、それを知らずにUターンした後、就職を探す際に気づきました。そして、相談に行ってみたら、もう既にUターンされ住民登録されているので自分で探してくださいと冷たくあしらわれました…。既に住民登録していても、住民票見ればUターンだとわかるのにもう少し親身になってくれたら…。と思い、やはり富山県は旅の人には冷たいか…。しばらくの生活の後、2度目の県外就職をしました。

再び、Uターンする時は、Uターン事業部も1度目の時のような冷たさは感じなかった気がします。ただ、富山のUターン事業は東京23区内からのUターンの人に支援の重きを置いている施策ですが、

本来の目的は何も東京からだけ人を取り戻す!!ことではなく、富山の人口の衰退を防ぐことが目的ですから、東京だけでなく大阪、名古屋の自治体だけではなく、3大都市圏内の人に支援の重きをするべきではないかと思いますね。

 

地方暮らしの実情今昔

地方暮らしと町内会・自治会

地方はFIRE後の移住者にとり楽園たり得るか!?

地方衰退の原因は!?

地方衰退の原因はまあその地方で色々あるとは思いますが、複合的な要因が混ざり合い、全ての原因を把握して今更、取り除くのは無理かもしれませんね。

  • モータリゼーションの変化による街の変化
  • 魅力的な進学先のなさ
  • 街の経済の起爆剤と期待して誘致した郊外型大型SCによる中心部商店街の空洞化
  • 中心商店街自身の傲慢と殿様商売
  • 町の区画整理とそれによる都会の模倣のようなビルや駅舎、公共施設の乱立による本来あった街の良さの消失
  • その地方独特のルールや地元有力者や出身高校ヒエラルキー
  • 地方ゆえの県外出身者への有形無形のなにか
  • 若者がなぜ都会に行くのかを理解できない大人や年寄りの票ばかりを気にする地方自治体の議員と政策

地方の競争のなさ

地方で競争が薄いのは、中学受験のなさ、県内有数の進学校はあるものの、トップ進学校の生徒を受け入れる大学が関東などの大都市にしかないことがあげられます。県内には、国立大学が一つしかなく、県立大学も一つ、あとは私立が2,3校あればよいところです。

なので大学受験の段階で、より高みを目指す生徒は県外に流出します

 

地元に残った人は、就職はなんやかんやで県内の企業に就職します。就職後、結婚しても地方では親と同居、もしくは実家近くの同じ地区の分譲地に一軒家を構えます。待機児童問題もなく、いざとなったら親を頼れ、安心して共働きが出来ます。共働きできればそこそこ裕福な生活ができるのでそこまで資産運用したり、いい給料の会社に転職しようとは思わなくなります。ある意味満たされているわけです。

 

隣近所も大体同じです。同じような大きさの家に駐車場が2台分、同じくらいの年収だと勝手に思い込みそして安心する。安定した生活を送りたい、送れていると思いたい。そんなところに、数年で車をころころ変える、その車のグレードが自分のより高いなどなどと基本的には競争意識を失っているのに嫉妬は顕在する。

富山市役所展望台より

 

都会ではこの手の問題は発生しません。何故なら都会の分譲価格では場所により差が大きくあるため、年収の差で住める土地の地域が変わるからです。地方では基本どこの地区でも土地が安いため公務員も、会社員も、大企業も中小企業社員も、年収に差があっても共働き、親の支援があるため同じエリアで家を買うことができます。これがカオスの元でもあるわけです。

北陸銀行などの地方の銀行は住宅ローンの査定を夫婦分で審査を出してくれるところが多いですよね。逆の都市銀ではそれをしてくれません)

 

そして、そのエリアの子供たちは同じ学校で混ざり合います。勉強で抜け出る子はいじめられたりします。できない子は学級崩壊に導き足を引っ張り、その親はPTAや町内会で平等を訴えます。しかも私立中学がない地方ではこれはどうもなりません。幼稚園、保育所から中学まで同級生メンバーは同じだからです。そして高校でやっと離れ、県外へ旅に出ます。地方ではこれの繰り返しです。

ただ競争の無さも悪いことばかりではなく、良いこともありますから、あまりに激しい競争にするとそれはそれで地方の良さを消してしまいますからね…

いざ東京へ!!

競争心のある子は結局、無意識のうちに都会に憧れを持ち、競争心のない子、安定安心を求める子は地方に残ります。その段階から地方の衰退は始まっています。止めるすべは…やはりありません。進学先の受け入れ場所がない限り流出は止まらないし、就職の受け入れ先がないと進学で出ていった人間も戻ってきようがありません。地方の衰退は止まらないことになります。

資本主義では競争こそ成長の原動力です。地方の競争相手は東京です。にもかかわらず東京に憧れ、東京に似ても似つかない質の悪い東京の模倣の街ばかりが地方には広がります...

 

ただ一つヒントがあるならばアメリカです。アメリカは確かにNYが経済の中心ではあるかもしれないが、グローバル企業のほとんどが日本のように東京に本社を置くみたいに、グローバル企業の多くがNYに本社を置いているわけではないということです。

 

現在、東京などの首都圏は最低賃金が1000円を超えていますが、地方部ではついこの間ようやく1000円台に乗りましたね。

働き口や進学先がないから、条件の良さを求めて人は東京に出る。すると東京では条件の良さを求めて集まった人たちが、受験や就職で競争が生じ、その結果、賃金水準、物価、家賃相場はまた上がります。

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